大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)450 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人馬淵分也の上告趣意第一点について。

犯人の所罰は特別予防及び一般予防の要請に基いて各犯罪各犯人毎に妥当な処置

を講ずべきものである。従つて事実審たる裁判所が犯人の性格、年齢及び境遇並に

犯罪の情状及び犯罪後の情況等を考量した結果、犯情の或る面において類似した犯

人の科刑に軽重の差別をつけることがあつても、憲法一四条の規定する平等の原則

に反するものでないことは、当裁判所の判例(昭和二三年(れ)第四三五号同年一

〇月六日大法廷判決)の示すとおりである。それ故に原判決が、本件被告人に対し

て第一審相被告人より重い刑を科した第一審判決を維持したからとて、これを以て

所論のような憲法違反あるものということはできない。論旨は理由がない。

同第二点及び第三点について。

刑訴四〇五条第二号又は第三号に基き、原判決が判例と相反する判断をしたこと

を理由として上告の申立をする場合には、上告趣意書にその判例を具体的に示さな

ければならない(刑事訴訟規則二五三条)にもかかわらず、論旨は原判決が如何な

る判例に違背したかを具体的に示していないから、これを適法な上告理由と認める

ことはできない。のみならず、原判決には、証拠に基かないで事実を認定しても差

支えないと判示しているのではなく、第一審判決には証拠に基かないで事実を認定

した違法はないと判示しているのであるから、これを判例違反と主張する論旨は採

用することができない。また本件第一審判決挙示の各証拠を綜合すれば、被告人に

犯意のあつたことは証明できるのであるから、第一審判決が刑法三八条一項に違背

するということもなく、これを維持した原判決に判例違背があるということもでき

ない。よつて論旨いずれの点も理由なきことが明らかである。

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以上のように論旨には、刑訴四〇五条に定める上告の理由がないこと明らかであ

るのみならず、本件には刑訴四一一条を適用すべき事由も認められないから、刑訴

四〇八条に従い主文の通り判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

昭和二五年一二月二六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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